刑事事件の被害者になってしまったら
刑事事件の被害にあった場合、被害者であってもしなければならないことは数多く、様々な問題を抱えることとなります。
まず、しなければならないのは警察への連絡です。被害にあったその場で被害者本人や周囲の人の通報などから警察の捜査が始まるケースもありますが、窃盗や器物損壊などの場合、事件の後になってから被害に気付くということ(空き巣の場合など)もあります。
そういった場合には警察などに被害届を出し、犯罪の発生を捜査機関に報告しなければなりません。
しかし被害届は事件に関しての被害者の情報や犯罪の態様などをまとめただけに過ぎず、加害者の処罰を求めるものでもないため、犯罪が軽微であるときには警察は捜査を開始しないこともあります。そのため正式に捜査を行ってもらうためには、被害の報告とともに加害者の処罰を求める告訴という手続きを取らなければなりません。告訴には、被害届と違い受理した場合に捜査を開始する義務が捜査機関に発生します。
また損害賠償の請求もあります。そもそも加害者が知人の場合や、警察の捜査によって加害者が明らかとなった場合、加害者が刑の減軽や不起訴処分を得ることを目的に示談交渉を求めてくる場合があります。
示談にはメリットデメリットの両方があり、メリットとしては早い段階で被害の弁済を受けることが可能であるということが挙げられます。またデメリットとしては、示談が合意に至った際には、多くの場合加害者を許す旨の内容が記載され被害届や告訴の取り下げをしなければならないことも多く、加害者に重罰を求められなくなってしまうことが挙げられます。
示談交渉が合意に至らなかった場合や、そもそも示談交渉が行われなかった場合、加害者が明らかであれば、刑事裁判とは別に加害者に対し損害賠償を求める民事訴訟を提起することができます。
こうした加害者との間の問題に加え、被害者の精神面や生活面での問題もあります。被害者は事件の被害を受けたことのショックから精神的に不安定になることもあります。また、被害者であってもマスコミの取材を受けるなどして生活に支障が出ることもあります。
こうした様々な問題に関して弁護士は、相談に乗る、被害者の代理人として示談交渉に臨む、民事裁判を行うなど日常的なサポートから法律問題の解決までを一貫して行うことができます。
弁護士・田中太朗(和泉府中法律事務所)は、和泉市、泉大津市、堺市、岸和田市、貝塚市を中心に大阪、京都府、和歌山、兵庫、奈良、滋賀県の皆様のお悩み解決に尽力しております。刑事事件をはじめ離婚、相続、交通事故など身の回りの法律問題でお悩みがありましたら和泉府中法律事務所までご相談ください。