釈放時の身元引受人とは?誰がなれるか / 弁護士 田中 太朗

弁護士 田中 太朗 > 刑事事件 > 釈放時の身元引受人とは?誰がなれるか

釈放時の身元引受人とは?誰がなれるか

■釈放時の身柄引受人とは?
犯罪の容疑が認められる場合、警察・検察が裁判所の令状の発布を受けて容疑者の身柄を拘束することがあります。最初は72時間以内という時間制限のもと逮捕(刑事訴訟法199条1項)を行い、必要と認められる場合にはさらに勾留(204条1項、207条)が行われます。
勾留の必要性の判断にあたっては、①被疑者が定まった住居を有していないこと(207条1項、60条1項1号)、②罪証隠滅のおそれがあること(2号)、③逃亡のおそれがあること(3号)の要件が検討され、どれか一つにでもあたる場合には、勾留が認められる場合があります。
身元引受人、つまり、被疑者を開放した場合にその監護にあたる存在がいる場合には、そうでない場合と比べて逃亡のおそれは低くなると判断されます。
また、身体拘束中の被疑者側から保釈の請求(89条)を行う場合にも、身元引受人の有無が重要な意味を持ちます。
保釈請求は、①容疑をかけられた犯罪が懲役1年以上のものでなく、②重大犯罪(懲役10年以上)の前科がなく、③長期3年以上の犯罪の常習犯容疑でなく、④証拠隠滅のおそれや証人や親族を加害する恐れがなく、⑤氏名不詳・住居不定でないという要件をすべて満たせば認められます。このほか、適当と認められる場合に裁判所の裁量により保釈される場合があります(90条)。
裁量保釈の場合、身元引受人がいることにより、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断されることがあります。

 

■身元引受人になれるのはどんな人?
身元引受人には法律上の限定がないため、具体的にその資格を持つ人が定まっているわけではありません。しかし、証拠隠滅や逃亡のリスクを下げるという観点から、監督者として妥当な人物であることが望ましいといえます。
したがって、通常は被疑者の家族や同じ職場の人が身元引受人になることが多くなっています。

 

弁護士・田中太朗(和泉府中法律事務所)は、離婚のお悩みだけでなく、相続、交通事故、刑事事件などの法律問題に対し、地域密着型の活動方針のもと、幅広くご対応させていただいております。
和泉市、泉大津市、堺市、岸和田市、貝塚市を中心として、大阪府、京都府、和歌山県、兵庫県、奈良県、滋賀県にお住まいのご相談者様に広くお応えいたしております。
事前のご連絡で、営業曜日・時間外でもご対応いたします。刑事事件に関するお悩みをお持ちの方は、弁護士・田中太朗(和泉府中法律事務所)までお気軽にご相談ください。

弁護士 田中 太朗が提供する基礎知識

  • 追突事故

    「はじめて追突事故の被害に遭ったが、怪我はせずに済んだ。相手は物損事故として処理したいと言っているが、どうするべきだろう...

  • 弁護士特約とは?

    ■弁護士特約とは?・特約とは基本となる保険に付帯して、補償内容を補足・変更する契約のことを特約といいます。特約には、一定...

  • 相続放棄

    相続を承認するのか、放棄するのかを決定するのは遺産相続の一つのおおきな山です。相続放棄は、自分のために相続の開始があった...

  • 企業法務

    企業を経営していくにあたって、弁護士が法務的なサポートを行うことは、企業の日常的な活動だけでなく、今後の成長のためにも不...

  • 私選弁護士と国選弁護士の...

    私選弁護人と国選弁護人の違いは様々です。そもそも私選弁護人とは、被疑者やその家族などが私費で弁護を依頼した弁護士であり、...

  • 遺産分割協議と調停につい...

    遺産分割協議とは、だれがどの財産を相続するかを決定する会議です。相続人と相続財産が確定し、遺産を受け継ぐと決めたら、いよ...

  • 追突事故の慰謝料の計算方...

    交通事故はさまざまな状況で発生するものであり、追突事故もその中の一つです。追突事故に遭った場合、慰謝料はどのくらいもらえ...

  • 相続放棄の取り消し(撤回...

    被相続人に借金などの負債が多くある場合、相続放棄を検討することとなりますが、一度相続放棄をした場合、後から取り消し(撤回...

  • 離婚の種類と手続き

    「離婚を検討しているが、いくつかある方法の中からどれを選ぶのが自分にとって最適なのかが分からない。」「離婚したいと考えて...

  • 交通事故によるむちうち|...

    交通事故でむちうちの症状がある場合、どのように慰謝料を計算して請求すればよいのでしょうか。本稿では、むちうちの慰謝料の計...

よく検索されるキーワード

弁護士紹介

「何か悩み事はありませんか。
一人で抱え込んでいませんか。」

田中弁護士の写真
弁護士
田中 太朗(たなか たろう)
ご挨拶
  • お客様のご相談に迅速かつ誠実に対応いたします。
  • 親しみやすい「市民のための法律家」として、あらゆるご相談を承ります。
  • 各種委員会や被害者弁護団としての活動を通じて幅広い問題に取り組んでいます。
所属・著書・資格等
  • 大阪弁護士会
  • 消費者保護委員会
  • 刑事弁護委員会
  • リース被害者弁護団
  • 交通事故委員会
  • 遺言・相続センター運営委員会
  • 欠陥住宅関西ネット
  • 大阪都島区倫理法人会幹事(小川)
  • 龍谷大学法科大学院 客員講師(田中)

事務所概要

名称 和泉府中法律事務所 弁護士 田中 太朗
所属

大阪弁護士会 消費者保護委員会 刑事弁護委員会 リース被害者弁護団

交通事故委員会遺言・相続センター運営委員会 欠陥住宅関西ネット

大阪都島区倫理法人会幹事(小川) 龍谷大学法科大学院 客員講師(田中)

資格者名 田中 太朗
所在地 〒594-0071 大阪府和泉市府中町1丁目10-3 第2泉洋ビル301号
電話番号/FAX番号 TEL:050-5434-9254
対応時間 月~土 9時30分~18時 ※事前予約で時間外も対応可能
定休日 日・祝 ※事前予約で対応可能

ページトップへ