相続放棄の取り消し(撤回)ができるケースとは / 弁護士 田中 太朗

弁護士 田中 太朗 > 相続 > 相続放棄の取り消し(撤回)ができるケースとは

相続放棄の取り消し(撤回)ができるケースとは

被相続人に借金などの負債が多くある場合、相続放棄を検討することとなりますが、一度相続放棄をした場合、後から取り消し(撤回)することはできるのでしょうか。

以下で詳しく見ていきましょう。

 

 

相続放棄について

 

相続放棄とは、相続人が被相続人(故人)の一切の権利や義務を引き継ぐことを拒否する意思表示です。

故人が多額の借金を抱えており、その引き継ぎを拒否したい場合などに利用されますが、プラスの財産を引き継ぐこともできない点に注意が必要です。

 

また、相続放棄は、相続が開始したことを知った日から3か月以内(熟慮期間といいます)に、家庭裁判所に申述書を提出し、それが受理されることによって認められます。

 

 

相続放棄の取り消し(撤回)の可否

 

相続放棄の申述が受理された場合、熟慮期間内だとしても、原則として撤回できません(民法9191項)。

 

しかし、相続放棄の申述が受理された時点で問題があったことを理由に、相続放棄を取り消すことができる場合があります(民法9192項)。

 

認められるケースは少ないですが、以下のような場合が考えられます。

 

・未成年者などの法律行為に制限がある人が単独で相続放棄を行った場合

・錯誤により相続放棄をした場合

※錯誤の場合は、「誤解した内容が申述書に記載されているなどして表示されていること」、「当該錯誤がなければ相続放棄をしなかったといえるほどの重大な錯誤であること」および「相続放棄をした人に調査不足などの重大な過失がないこと」が必要です。

これらを立証することは難しいため、ハードルは高いといえるでしょう。

・詐欺又は脅迫により相続放棄をした場合

 

また、相続放棄を取り消すことができる場合でも、取消には以下の期間制限があります(民法9193項)

 

・追認をすることができる時から6か月以内

相続放棄から10年以内

 

いずれか早い時点の経過時点で、取消権は失われます。

 

 

相続についてのご相談は弁護士 田中 太朗(和泉府中法律事務所)におまかせください

 

原則として相続放棄の撤回はできませんが、例外的な事情がある場合には取り消しができる場合があります。

しかし、取り消しは例外的な処理ですので、必ずしも認められるとは限りません。

相続放棄をするかの判断は綿密な遺産調査などを踏まえて慎重に行う必要があります。

弁護士 田中 太朗(和泉府中法律事務所)は、相続に関するお悩みに幅広くご対応させていただいております。

事前のご連絡で、営業曜日・時間外でもご対応いたします。

相続に関するお悩みをお持ちの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

弁護士 田中 太朗が提供する基礎知識

  • 示談交渉を弁護士に依頼す...

    ■示談交渉を弁護士に依頼するメリット・示談とは交通事故の損害賠償などを、当事者で話し合って解決することを示談といい、示談...

  • 【離婚調停の基礎知識】手...

    離婚は、その9割弱が協議によって行われていますが、簡単にまとまることは少ないのが実情です。本稿では、協議以外の離婚方法で...

  • 貝塚市の離婚が得意な弁護...

    日本の離婚率は35%前後であり、離婚問題は誰もが経験する可能性のある重大な問題です。しかしながら離婚に際しては、財産分与...

  • 離婚成立にはどのくらいの...

    日本の民法では離婚の方式が大きく二つに分けられています。一つが「協議離婚」、もう一つが「裁判離婚」です。今回はお互いの話...

  • 弁護士特約とは?

    ■弁護士特約とは?・特約とは基本となる保険に付帯して、補償内容を補足・変更する契約のことを特約といいます。特約には、一定...

  • 釈放時の身元引受人とは?...

    ■釈放時の身柄引受人とは?犯罪の容疑が認められる場合、警察・検察が裁判所の令状の発布を受けて容疑者の身柄を拘束することが...

  • 泉大津市の交通事故に強い...

    交通事故に加害者、もしくは被害者として遭遇してしまった場合には、慰謝料やその支払いの際の過失の割合が問題になることが多い...

  • 不当解雇による慰謝料|相...

    会社から正当な理由なく解雇され、それに付随して悪質な行為があった場合には、不当解雇として慰謝料を請求することができます。...

  • なぜ親権争いは母親が有利...

    法律上、離婚をした場合に子の親権は父親か母親かのいずれか一方に属することになっています。日本では協議離婚が9割を占める現...

  • 法定相続人とは?

    民法では、相続人となるべき人とその順番を定めています。まず、被相続人の配偶者は常に相続人となります。しかし、内縁の夫や妻...

よく検索されるキーワード

弁護士紹介

「何か悩み事はありませんか。
一人で抱え込んでいませんか。」

田中弁護士の写真
弁護士
田中 太朗(たなか たろう)
ご挨拶
  • お客様のご相談に迅速かつ誠実に対応いたします。
  • 親しみやすい「市民のための法律家」として、あらゆるご相談を承ります。
  • 各種委員会や被害者弁護団としての活動を通じて幅広い問題に取り組んでいます。
所属・著書・資格等
  • 大阪弁護士会
  • 消費者保護委員会
  • 刑事弁護委員会
  • リース被害者弁護団
  • 交通事故委員会
  • 遺言・相続センター運営委員会
  • 欠陥住宅関西ネット
  • 大阪都島区倫理法人会幹事(小川)
  • 龍谷大学法科大学院 客員講師(田中)

事務所概要

名称 和泉府中法律事務所 弁護士 田中 太朗
所属

大阪弁護士会 消費者保護委員会 刑事弁護委員会 リース被害者弁護団

交通事故委員会遺言・相続センター運営委員会 欠陥住宅関西ネット

大阪都島区倫理法人会幹事(小川) 龍谷大学法科大学院 客員講師(田中)

資格者名 田中 太朗
所在地 〒594-0071 大阪府和泉市府中町1丁目10-3 第2泉洋ビル301号
電話番号/FAX番号 TEL:050-5434-9254
対応時間 月~土 9時30分~18時 ※事前予約で時間外も対応可能
定休日 日・祝 ※事前予約で対応可能

ページトップへ